ロの字間取りの一般的なデメリット
一方で、ロの字間取りには以下のようなデメリットもあります。
1. 建築費が高額になりがち
費用面の課題:
- 一般的な住宅よりも外壁面積が増える
- 他社では中庭部分も施工面積として計算される場合が多い
- 施工の難易度が高く、工事費が上がる可能性
- 断熱材や窓の数が増えるため、追加費用が発生
これが最も大きなデメリットで、予算との兼ね合いで断念するケースも多いようです。
2. 建築面積の増加
敷地への影響:
- 同じ居住面積でも外壁が増えるため、建築面積が大きくなる
- 敷地の広さによっては建ぺい率の制限に引っかかる可能性
- 庭や駐車スペースが狭くなる場合がある
3. 排水対策が必須
水はけの課題:
- 中庭は四方を建物に囲まれているため、雨水が溜まりやすい
- 適切な排水設備(排水溝・排水管)が必要
- 大雨時の対策を考慮する必要がある
- 排水設備の設置に追加費用がかかる
4. 廊下率の増加
動線の課題:
- 中庭を囲む形になるため、廊下が長くなりがち
- 居住スペースに対する廊下の割合が高くなる
- 設計が悪いと無駄なスペースが増える
5. 断熱性能への配慮が必要
断熱面の課題:
- 外壁が増える分、断熱材の施工面積も増える
- 窓が多くなるため、熱の出入りが増える可能性
- 断熱性能を維持するための対策が必要
6. 非常時の脱出経路
防災面の特性:
- 外壁側の窓が少ないため、避難経路が限定される
- 火災時や地震時の脱出経路を確保する必要がある
ただし、ロの字間取りには以下のような防災面でのメリットもあります:
防災面でのメリット:
- オール電化で火災リスクが低い:ガスを使用しないため、火災の発生リスク自体が低い
- 脱出経路が 2 方向確保できる:ロの字の回遊動線となるため、玄関自体が塞がれない限りは 2 方向の脱出経路を確保
- 地震時のリスク分散:2 つの経路が同時に塞がれるリスクは低い
- 中庭への避難:室内から中庭に避難し、そこからはしごなどで脱出できる
これらのデメリットと対策を考慮しても、私にとってはロの字間取りのメリットの方が大きいと判断しました。
一条工務店ならではのメリット
ロの字間取りを検討する上で、一条工務店を選んだことが大きなアドバンテージになりました。
施工費用が抑えられる
一条工務店の大きな特徴は、中庭部分が延べ床面積の単価に含まれないという点です。
他社との比較:
| ハウスメーカー | 中庭の扱い | 費用への影響 |
|---|---|---|
| 一般的な他社 | 施工面積に含まれる(全額または 1/2) | 大幅な費用増 |
| 一条工務店 | 延べ床面積の単価には含まれない | 追加費用は排水設備など |
本社確認の結果
担当者に確認したところ、以下のような回答がありました。
営業担当「ロの字間取りについて本社から回答がありました。建物本体価格には含まれませんが、排水設備やタイルデッキなどで追加費用がかかることになります。」
私「具体的にはどのくらいの費用になりそうですか?」
営業担当「中庭の広さにもよりますが、50〜100 万円程度は見込んでおいた方が良いでしょう。」
コの字との費用比較
コの字の場合:
- 建築費用:抑えられる
- 外構費用:目隠しフェンスが必要(30〜50 万円程度)
ロの字の場合(一条工務店):
- 建築費用:延べ床面積単価は変わらない
- 追加費用:排水設備など(50〜100 万円程度)
- 外構費用:目隠しフェンス不要
費用差: 20〜50 万円程度の増額で、究極のプライベート空間が手に入る計算です。
この程度の追加費用なら、ロの字間取りのメリットを考えると十分に価値があると判断しました。
一条工務店の標準施工品質
その他のメリット:
- 標準仕様で高い断熱性能(外壁が増えても安心)
- 施工品質が安定している
- 全館床暖房で中庭に面した窓が多くても快適
- 防水工事も標準で信頼性が高い
防犯ガラスオプションの削減
コスト削減のメリット:
コの字間取りの場合、外部に面したタイルデッキ周辺の窓には防犯ガラスオプションを採用する予定でした。しかしロの字間取りでは、中庭側の窓は外部から侵入されるリスクが低いため、防犯ガラスオプションを不採用にして費用を削減できました。
これにより、ロの字間取りの追加費用を一部相殺することができました。
コの字からロの字への変更を決断した理由
YouTube での発見から約 2〜3 週間、様々な角度からロの字間取りを検討しました。
決断に至った理由
1. 究極のプライベート空間への憧れ
自分だけの空間を最大限に活かしたい――そんな理想を叶えられるのがロの字間取りです。
2. 防犯性の向上
外壁の窓を最小限にできるため、セキュリティ面でも安心です。留守にすることが多い独身には重要なポイントです。
3. 費用面での現実性
一条工務店なら、追加費用が 50〜100 万円程度で収まります。コの字の目隠しフェンス費用や防犯ガラスオプションを考えると、実質的な差額は小さいと判断しました。
4. 独身施主ならではの自由と柔軟性
家族がいれば「もっと実用的な間取りにしよう」といった調整が必要でしょう。一人暮らしなら、自分の理想だけを追求でき、将来のライフスタイル変化にも柔軟に対応できます。
最後の懸念事項
当初気になっていたのは、非常時の脱出経路でした。
対策と安心材料:
- オール電化で火災リスクが低い:ガスを使わないため、そもそも火災が起きにくい
- 脱出経路が 2 箇所:ロの字間取りの回遊動線で 2 方向の脱出経路確保
- 地震時のリスク分散:2 経路が同時に潰されるリスクは低い
- 中庭にはしごを常備:万が一の場合に備える
- 中庭側の窓を大きめに:脱出しやすい設計
- 火災報知器を各部屋に設置:早期発見で避難時間を確保
これらの安全対策を講じることで、防災面の懸念もクリアできると判断しました。