言葉だけでは伝わらない間取りの要望
前回の記事で、一条工務店の担当者に間取りの要望を伝えたことをお話ししました。 口頭だけで間取りの要望を伝えるのは、双方にとって難しいものです。
- 私の立場:頭の中にあるイメージを正確に伝えたい
- 担当者の立場:お客様の要望を正しく理解したい
そこで、自分で間取り図を作成して持参することにしました。
無料で使える間取り図作成ツールを探す
まずは、素人でも使える間取り図作成ツールを探しました。
検索条件
- 無料で利用できる
- Web で使える(ソフトウェアのインストール不要)
- 素人でも使いやすい
- ある程度見栄えの良い図面が作れる
- 一条工務店の規格に合わせて作成できる
候補として出てきたツール
- せっけい倶楽部(インストール型)
- Sweet Home 3D(インストール型)
- マイホームクラウド(Web 型)
- 間取り Planner(Web 型)
この中から、マイホームクラウドを選択しました。
結論として、一条工務店で考えている人にはおすすめです。
なぜマイホームクラウドを選んだのか
選んだ理由
完全無料
会員登録は必要ですが、費用は一切かかりません(有料版もあります)
会員登録も Google のアカウントを使うことが可能です。ブラウザベース
ソフトウェアのインストールが不要で、どの OS でも利用できます。Web ブラウザさえあれば、どの端末からでもアクセス可能です。直感的な操作
ドラッグ&ドロップで簡単に間取りを作成できる一条工務店対応
一条工務店の規格(910mm モジュール)に対応豊富な部品
キッチン、バス、トイレなど、実際の住宅設備メーカーの製品が登録されている
実際の作成過程
1. 事前準備
間取り図を作成する前に、以下の情報を整理しました。
私の要望
- 平屋建て
- LDK + 書斎 + 寝室
- LDK でプロジェクター投影面を確保
- 25 坪以下
- 収納重視
- ランドリースペース(室内干しオンリー)
- ランドリーから近い収納
- 自転車の屋内保管
意識した一条工務店の制約(一条ルール)
- 910mm モジュール
- 1/2 マス単位の設計
- 設備の配置制約
2. 土地の情報入力
土地情報については GoogleMap をなぞって入力できるようになっています。
私は候補の土地があったのでそれを元に作成しました。
3. 間取り作成開始
最初は手探りでしたが、次の手順で進めました。
外壁の配置
- 長方形の建物形状で開始
- 南向きに配置
部屋の配置
- LDK を南側に配置(日当たり重視)
- 水回りを北側に集約
- 書斎と趣味部屋を適切な位置に配置
- 来客を考えてプライベートゾーンを分離
- 玄関と Zwift 部屋を近い場所に(自転車も同じ部屋に保管)
4. 細かい調整
何度も調整を重ねて、理想に近づけていきました。
- 導線の確認: 毎日の生活をシミュレーションして導線確認
- 収納の確認: 十分な収納スペースを確保
- 一条ルールの確認: 構造上問題ないか確認
完成した間取り図
※この記事を作成している時点ではまだ間取りは確定していませんが、ほぼ変わっています
建物概要
- 延床面積: 約 82 平米(24.8 坪)
- 間取り: LDK + 書斎 + 趣味部屋 + 寝室
- 構造: 平屋建て
各部屋の配置
- LDK: 18.5 畳
- 寝室: 5.5 畳
- 書斎: 8 畳
- 趣味部屋: 4 畳
- 水回り: 北側に集約
マイホームクラウドの良い点
1. 操作が簡単
直感的な操作で、建築の専門知識がなくても間取り図を作成できます。
2. 豊富な設備データベース
実際の住宅設備メーカーの製品が登録されており、リアルな間取り図が作成できます。
3. 3D 表示機能
平面図だけでなく、3D 表示で立体的に確認でき、色のイメージもしやすいです。
4. 印刷・保存機能
PDF での出力や、データの保存が可能です。
マイホームクラウドの悪い点
1. 細かい寸法調整が難しい
無料版では 1/2 マス単位までしか細かい寸法調整ができません。
ただし、一条ルールの「1/2 マス単位の設計」という制約があるため、この点は大きなデメリットにはなりません。
2. 構造的な制約チェックが不十分
一条工務店の構造ルールまでは完全にチェックできません。
3. 部品の制約
登録されている部品以外は使用できないため、特殊な要望には対応できません。
4. 保存データ数が少ない
無料版では 5 つまでしか間取りが保存できません。
ただし、JSON でデータをエクスポートすることはできるので少し手間は掛かりますが 5 つ以上もやりくりは可能です。
5. Mac では操作に癖がある
環境依存かもしれませんが、私の MacBook では Windows と違って操作に癖があり、使いづらく感じました。
一条工務店への提案で使った感想
効果的だった点
要望が正確に伝わった
言葉だけでは伝わらない空間イメージを共有できました。打ち合わせが効率的
図面があることで、具体的な話し合いができました。本気度が伝わったこと
図面を持参することで、真剣に検討していることが伝わりました。
実際に担当者に見せた結果
担当者に間取り図を見せたところ、以下のような反応がありました。
担当者の反応
- 「要望がよく分かります」
- 「平屋でこの広さなら十分実現可能です」
- 「候補の土地にも問題なく収まりそうです」
独身の家づくりでの間取り図作成のポイント
1. 将来の変化を考慮
独身だからこそ、将来のライフスタイル変化を考慮した間取りにする必要があります。
2. 一人時間の充実
書斎や趣味部屋など、一人の時間を充実させるスペースを重視しました。
3. メンテナンス性重視
一人で住む家だからこそ、メンテナンスしやすい間取りを心がけました。
4. リセールバリューを気にしない尖った設計
これは人によりますが、一般的には家を相続したり手放したりすることを考えて、リセールバリューの高い間取りを意識します。
私の場合は相続の予定がなく、家を手放すリスクも考慮しないため、自由な設計を重視しました。
まとめ
マイホームクラウドを使った間取り図作成は、無料ツールとしては十分に活用できるものでした。
とくに一条工務店で考えている人にとっては相性が良いと思います。
こんな人におすすめ
- 初めて間取りを考える人
- 要望を視覚的に整理したい人
- 建築会社との打ち合わせを効率化したい人
- 予算をかけずに間取りを検討したい人
注意点
- あくまで要望伝達のツールとして活用
- 構造的な制約は専門家に確認必要
- 細かい調整はプロに任せる
独身で家を建てる際も、自分の要望を明確に伝えることが重要です。間取り図作成を通じて、理想の住まいへの第一歩を踏み出すことができました。
次回は、土地と中古戸建の現地見学について記事にしたいと思います。
これから家づくりを始める方、特に独身で検討されている方の参考になれば幸いです。