マイホームクラウドで間取り作成 - 要望整理ツール体験記

一条工務店への要望伝達のためにマイホームクラウドで間取り図を自作した体験記。無料版の使い勝手と作成プロセス・長所短所を整理 ※公式ツールではありません
マイホームクラウドで間取り作成 - 要望整理ツール体験記
目次

この記事では、マイホームクラウドの使い方・長所と短所、一条工務店との打ち合わせ準備での活用例、要望を形にする間取り作成のコツを整理します。実際に作成した図面も掲載し、家づくりを検討する方向けにまとめました。

※マイホームクラウドは一条工務店の公式ツールではなく、株式会社マリエッタが提供する第三者サービスです。本記事は個人利用体験の紹介です。 公式サイト: マイホームクラウド公式サイト

言葉だけでは伝わらない間取りの要望

前回の記事で、一条工務店の担当者に間取りの要望を伝えたことをお話ししました。 口頭だけでは間取りの要望が正確に伝わりにくいと感じました。

  • 私の立場:頭の中にあるイメージを正確に伝えたい
  • 担当者の立場:お客様の要望を正しく理解したい

そこで、自分で間取り図を作成して持参することにしました。

無料で使える間取り図作成ツールを探す

まずは、初心者でも使える間取り図作成ツールを探しました。

検索条件

  • 無料で利用できる
  • Web で使える(ソフトウェアのインストール不要)
  • 初心者でも使いやすい
  • ある程度見栄えの良い図面を作成できる
  • 一条工務店の規格を意識した作成ができる

候補として出てきたツール

  1. せっけい倶楽部(インストール型)
  2. Sweet Home 3D(インストール型)
  3. マイホームクラウド(Web 型)
  4. 間取り Planner(Web 型)

この中から、マイホームクラウドを選択しました。結論として、一条工務店を検討中で 910mm モジュール(※ツール側は 900 / 910 / 1000mm 等の設定も可能)の初期要望を可視化したい人にも使いやすいです。

なぜマイホームクラウドを選んだのか

選んだ理由

  1. 完全無料
    会員登録は必要ですが費用はかかりません(有料プランあり)。Google アカウントで登録可能です。

  2. ブラウザベース
    ソフトウェアのインストールが不要で、主要 OS で利用できます。Web ブラウザさえあれば端末を選びません(詳細な推奨環境は公式参照)。

  3. 直感的な操作
    ドラッグ&ドロップで簡単に間取りを作成できます。

  4. 一条工務店との親和性(公式連携ではない)
    910mm モジュール(同社で採用される寸法体系)を意識したマス目調整がしやすく、要望整理に活用しやすいです。ツール自体は 900mm や 1000mm など他モジュール設定も可能で、他社・リフォーム検討にも転用できます。無料版では 1/2 マス単位の調整ですが、一条ルール(= 910mm モジュール / 1/2 マス設計基準)とも整合します。

  5. 豊富な部品
    キッチン・バス・トイレなどの住宅設備やエアコン・飾り棚・テーブル等のアイテムが揃い、空間イメージを掴みやすいです。

実際の作成過程

1. 事前準備

間取り図を作成する前に、以下の情報を整理しました。

私の要望

  • 平屋建て
  • LDK + 書斎 + 寝室
  • LDK でプロジェクター投影面を確保
  • 25 坪以下
  • 収納重視
  • ランドリースペース(室内干しオンリー)
  • ランドリーから近い収納
  • 自転車の屋内保管

意識した一条工務店の制約(一条ルール: 910mm モジュール / 1/2 マス設計 / 設備配置制約)
※ ツール上は 900mm / 1000mm モジュールも選択可能だが、本記事の作図は一条工務店採用の 910mm 基準で統一。

2. 土地の情報入力

土地情報については Google マップをなぞって入力できるようになっています。
私は候補の土地があったのでそれを元に作成しました。

3. 間取り作成開始

最初は手探りでしたが、次の手順で進めました。

玄関位置を決める

  • 道路に合わせて駐車スペースと玄関の配置を決定

部屋の配置

  • LDK を南側に配置(日当たり重視)
  • 水回りを北側に集約
  • 書斎と趣味部屋を適切な位置に配置
  • 来客を考えてプライベートゾーンを分離
  • 玄関と Zwift(室内サイクリング)用の部屋を近い場所に(自転車も同じ部屋に保管)

4. 細かい調整

調整を重ねて理想に近づけました。

  • 動線の確認: 毎日の生活をシミュレーションして動線を確認
  • 収納の確認: 十分な収納スペースを確保
  • 一条ルールの確認: 構造上問題ないか確認

完成した間取り図

参考記事:一条工務店の間取り相談体験記(0008)

間取り図サンプル

マイホームクラウドで作成した間取り図01

他の間取り図サンプル:

  • 間取り図02
  • 間取り図03
  • 間取り図05

間取り図の詳細は 間取り調整・改善案(0020)調整した間取り図(0021) も参考にしてください。

建物概要

  • 延床面積: 約 82 平米(24.8 坪)
  • 間取り: LDK + 書斎 + 趣味部屋 + 寝室
  • 構造: 平屋建て

各部屋の配置

  • LDK: 18.5 畳
  • 寝室: 5.5 畳
  • 書斎: 8 畳
  • 趣味部屋: 4 畳
  • 水回り: 北側に集約

マイホームクラウドの良い点

1. 操作が簡単

直感的な操作で、建築の専門知識がなくても間取り図を作成できます。

2. 住宅設備・家具のアイテム

主な住宅設備や家具がアイテムとして登録されており、寸法を入力して配置することで具体的な空間を設計できます。

3. 3D 表示機能

平面図だけでなく 3D 表示で立体的に確認でき、色やサイズ感を把握しやすいです。

4. 印刷・保存機能

PDF 出力や JSON でのデータ保存が可能です。

マイホームクラウドの悪い点

1. 細かい寸法調整が難しい

無料版では 1/2 マス単位までしか細かい寸法調整ができません。ただし一条ルールの設計単位とは整合するため実用上の支障は限定的です。家具など個別アイテムの配置寸法は細かく設定可能です。

2. ロの字型間取りなど、閉じた空間が強制的に部屋扱い

ロの字中庭のように完全に囲った外部空間が自動で室内扱いとなり、3D 表示や延床面積計算に含まれてしまう点が難点です。

3. アイテムの制約

登録されているアイテム以外は使用できないため、特殊な要望には対応できません。

4. 保存データ数が少ない

無料版では 5 つまでしか間取りが保存できません。JSON でエクスポートしてローカル退避すれば実質 5 つ以上も運用可能ですが手間はかかります。

5. Mac では操作に癖がある

私の環境(MacBook)では、Windows と比べて操作感にやや癖があり、使いづらく感じる場合がありました。

一条工務店への提案で使った感想

効果的だった点

  1. 要望が正確に伝わった
    言葉だけでは伝わらない空間イメージを共有できました。

  2. 打ち合わせが効率的
    図面があることで、踏み込んだ検討ができました。

  3. 本気度が伝わったこと
    図面を持参することで、真剣に検討していることが伝わりました。

実際に担当者に見せた結果

担当者に間取り図を見せたところ、以下のような反応がありました。

担当者の反応

  • 「要望がよく分かります」
  • 「平屋でこの広さなら十分実現可能です」
  • 「候補の土地にも問題なく収まりそうです」

独身の家づくりでの間取り図作成のポイント

1. 将来の変化を考慮

独身だからこそ、将来のライフスタイル変化を考慮した間取りにする必要があります。

2. 一人時間の充実

書斎や趣味部屋など、一人の時間を充実させるスペースを重視しました。

3. メンテナンス性重視

一人で住む家だからこそ、メンテナンスしやすい間取りを心がけました。

4. リセールバリューを気にしない尖った設計

これは人によりますが、一般的には家を相続したり手放したりすることを考えて、リセールバリューの高い間取りを意識します。
私の場合は相続の予定がなく、家を手放すリスクも考慮しないため、リセールバリューを重視しない自由な設計を選びました。

まとめ

マイホームクラウドを使った間取り図作成は、無料ツールとして十分活用できました。特に 910mm モジュール(他に 900 / 1000mm も選択可)前提で初期要望を整理したい一条工務店検討者とは相性が良いと感じます。

免責補足: 本記事は一条工務店によるマイホームクラウド公式採用・連携を示すものではありません。第三者ツールを個人利用した体験談です。

こんな方におすすめ

  • 初めて間取りを考える方
  • 要望を視覚的に整理したい方
  • 建築会社との打ち合わせを効率化したい方
  • 予算をかけずに間取りを検討したい方

間取り図作成イメージ

注意点

  • あくまで要望伝達のツールとして活用
  • 構造的な制約は専門家に確認が必要です
  • 細かい調整や構造的な検討は専門家に任せることをおすすめします。

独身で家を建てる場合も、自分の要望を明確に伝えることが重要です。間取り図作成を通じて、理想の住まいへの第一歩を踏み出すことができました。

次回は、土地と中古戸建の現地見学について記事にしたいと思います。

これから家づくりを始める方、特に独身の方の参考になれば幸いです。


よくある質問(FAQ)

Q. マイホームクラウドは一条工務店以外でも使えますか?

A. はい。他のハウスメーカーや自分で間取りを考えたい方にも利用できます。910mm モジュール対応など一条工務店向けに活用しやすい要素はありますが、汎用性も高いです。

Q. 910mm 以外の 900mm や 1000mm モジュールにも対応していますか?

A. はい。グリッド(モジュール)設定で 900 / 910 / 1000mm などに切り替え可能です。本記事の例は一条工務店の 910mm を想定した作図ですが、他モジュールへ変更して他社仕様の検討にも流用できます。

Q. マイホームクラウドは一条工務店の公式ツールですか?

A. いいえ。マイホームクラウドは株式会社マリエッタが提供する独立したサービスです。本記事では一条工務店の打ち合わせ準備に活用した例を紹介しているだけで、公式提供・提携を意味しません。
公式サイト: マイホームクラウド公式サイト

Q. 無料版と有料版の違いは?

A. 無料版は保存数や一部機能に制限がありますが、間取り作成・3D 表示・PDF 出力など基本機能は十分使えます。有料版は保存数拡張や商用利用、より細かい調整が可能です。

Q. マイホームクラウドで作成した間取り図は一条工務店に提出できますか?

A. 画像や PDF で出力し、打ち合わせ時に担当者へ提出できます。実際に要望が伝わりやすくなります。URL で共有することも可能です。

Q. 間取り図作成のコツは?

A. 道路と玄関の位置関係を最初に決め、車を保有している方は必要な駐車スペースを配置します。(乗り降りや車から玄関への動線も考慮)
生活動線・収納・日当たり・将来のライフスタイル変化を意識し、何度も調整することが理想のプランへの近道です。完成したら平日と休日それぞれの生活動線を線で引いて検証することをおすすめします。
ゲスト動線も考え、ゲストがプライベート空間に入らなくても過ごせる配置にすると良いでしょう。