はじめに - なぜ投資の話を始めるのか
このブログは主に家づくりについて発信していますが、今回から投資についても記事にしていこうと思います。
なぜかというと、独身で注文住宅を建てるという大きな決断の背景には、資産形成への取り組みがあったからです。住宅ローンを組む勇気も、将来への備えも、すべて投資を通じて得た知識と経験が支えになっています。
今回は、私の投資歴約 15 年の大まかな流れをご紹介します。具体的な運用成績は今後の記事で触れていきますが、まずは失敗も含めた投資遍歴をお話しします。
社会人スタート - まずは貯金から
新卒で東京の会社に就職し、年収 300 万円台からのスタートでした。
最初の 3 年間は投資など考えもせず、ひたすら貯金に励んでいました。給料から生活費を引いた残りをすべて普通預金に入れる、シンプルな資産形成です。
当時の私の考えは「まずは 100 万円貯めよう」でした。投資はギャンブルのようなものだと思い込んでいて、貯金こそが安全だと信じていました。
26 歳 - 投資デビューと散々な商品選び
証券口座の開設
26 歳になり、ある程度まとまった貯金ができたことで、ようやく投資に目を向けました。
楽天証券とマネックス証券を同時に口座開設。当時はまだ FIRE という概念も知らず、「老後資金を少しでも増やせれば」という漠然とした思いでした。
最初の投資商品たち(今思えば地雷だらけ)
恥ずかしい話ですが、当時の私は以下のような商品に手を出しました。
毎月分配型投資信託
- いわゆる「タコ配」と呼ばれる商品
- 毎月お金が入ってくるという響きに惹かれて購入
- 実際は元本を削って分配していることを後から知る
高コストのアクティブファンド
- 信託報酬 3%クラスの商品にも投資
- 「プロが運用してくれるから」という安易な理由
FX(外国為替証拠金取引)
- レバレッジの魔力に取り憑かれる
- スワップポイント狙いで高金利通貨に投資
商品名だけを見て「なんか良さそう」という理由で購入していました。リスクとリターンの関係や手数料の重要性など、何も理解していませんでした。
28 歳頃 - インデックス投資との出会い
転機となった一冊の本
投資を始めて 2 年ほど経った頃、ようやく投資について勉強を始めました。きっかけはマネックスポイントでもらった投資の入門書でした。
そこで初めて知った概念:
- ドルコスト平均法
- インデックス投資
- 複利の力
- 手数料の重要性
これまでの自分の投資がいかに非効率だったかを痛感しました。
投資方針の大転換
勉強した結果、投資方針を 180 度転換しました。
売却した商品
- 毎月分配型投資信託を少しずつ売却
- 高コストのアクティブファンドも処分
新たに始めた投資
- 低コストのインデックスファンドへの積立投資
- 全世界株式や米国株式を中心としたポートフォリオ
ただし、FX だけは「少額なら勉強になる」という理由で継続しました。
実際に経済指標の発表など、世界のさまざまな経済ニュースにも敏感になりました。
転職後 - 入金力アップと投資の拡大
年収 600 万円台への転職
転職により年収が 400 万円前半から 600 万円台へ大幅アップ。入金力が上がったことで、投資の選択肢も広がりました。
個別株投資への挑戦
インデックス投資を続けながら、余剰資金で日本の個別株も購入開始。
- 配当狙いの高配当株
- 株主優待目的の銘柄
- 成長期待の中小型株
個別株は趣味の要素も強く、企業分析を楽しみながら投資していました。
2020 年頃 - FIRE 概念との出会い
コロナ禍で変わった価値観
2020 年、コロナ禍で在宅勤務が増える中、FIRE という概念を知りました。
FIRE(Financial Independence, Retire Early)
- 経済的自立と早期リタイアを目指す生き方
- 資産収入で生活費を賄う状態を作る
この概念を知って、投資の目的が「老後資金」から「経済的自由の獲得」へと大きく変わりました。
投資戦略の見直し
FIRE を意識し始めてから、以下の点を重視するようになりました。
資産額の最大化
- 支出の最適化(無駄な出費の削減)
- 投資額の最大化(生活費以外はすべて投資へ)
- 複利効果を最大限活用
4%ルールの理解
- 資産の 4%で年間生活費を賄えれば FIRE 可能
- 必要資産額 = 年間生活費 × 25 倍
独身の私の場合、年間生活費が比較的少ないため、FIRE のハードルは家族持ちの方より低いと気づきました。
税制優遇制度の活用
旧 NISA 制度の利用開始
旧 NISA 制度が始まると同時に利用を開始しました。
NISA → つみたて NISA への切り替え
- 一般 NISA 開始し毎年満額の 120 万円を投資
- その後、つみたて NISA 開始と同時に切り替え
- 年間 40 万円を満額投資
iDeCo の活用
つみたて NISA と並行して iDeCo(個人型確定拠出年金)も開始。
- 節税効果を最大限活用
- 老後資金の確実な積み立て
- 全額を株式インデックスファンドで運用
新 NISA 時代へ - 現在の投資スタイル
新 NISA 制度のフル活用
2024 年から始まった新 NISA 制度は、開始と同時に利用開始。
年間投資枠の満額利用
- つみたて投資枠:120 万円
- 成長投資枠:240 万円
- 合計 360 万円を毎年投資
独身で自由に使えるお金が多いメリットを最大限活かし、非課税枠を最速で埋める戦略を取っています。
配当・分配重視への戦略シフト
新 NISA 開始後、投資戦略に大きな変更を加えました。
インデックス投資から配当・分配重視へ
- これまでの成長重視から、キャッシュフロー重視へ転換
- REIT や分配金が出る投資信託の比重を増加
- 日本の高配当株式への投資も拡大
なぜ配当・分配重視に変えたのか
FIRE 実現への具体的なキャッシュフロー確保
- 定期的な配当・分配金で生活費の一部をカバー
- 資産の取り崩しではなく、配当で生活する未来を描く
- 貯めることよりも、資産を取り崩すことの難しさを想像
新 NISA の非課税メリットを最大化
- 配当・分配金も非課税
- 複利効果よりも非課税の恩恵を重視
- ただし、外国株については外国税額控除を活かすために特定口座を利用
心理的な安心感
- 定期的に入金があることで FIRE への道筋が見えやすい
- 市場の変動に一喜一憂しなくなる
振り返って思うこと
失敗から学んだこと
初期の投資で多くの失敗をしましたが、それも貴重な経験でした。
主な教訓
- 勉強せずに投資を始めるな
- 手数料は投資リターンを大きく左右する
- 複雑な商品より、シンプルな商品の方が優れていることが多い
- 長期投資こそ王道
独身だからこその投資戦略
独身であることは投資において大きなアドバンテージです。
独身投資家のメリット
- 自分の判断で投資額を決められる
- リスク許容度を高く設定できる
- 長期投資に専念できる
- 家族の反対がない
これからの投資計画
現在は以下の方針で投資を継続しています。
- 新 NISA の満額投資を継続
- iDeCo も限度額まで拠出
- 特定口座でも追加投資
- 住宅ローンを組んでも投資は継続
- 配当・分配金でのキャッシュフロー強化
山口県で注文住宅を建てることになっても、投資は止めません。むしろ、投資があるからこそ住宅ローンも安心して組めるのです。
将来的には配当・分配金で住宅ローンの返済額をカバーできる状態を目指しています。
まとめ
26 歳から始めた投資は、失敗を重ねながらも着実に成長してきました。
最初は毎月分配型投信や FX といった「やってはいけない投資」ばかりでしたが、勉強を重ねてインデックス投資という王道にたどり着きました。
2020 年からは FIRE を意識し始め、投資の目的が「老後資金」から「経済的自由」へと進化。新 NISA 開始後は配当・分配重視の戦略に転換し、キャッシュフローの構築に注力しています。
独身アラフォーという立場は、投資において決してハンデではありません。むしろ、自由度の高さを活かして積極的な資産形成ができる恵まれた環境です。
次回からは、具体的な運用成績や投資商品の詳細、FIRE を目指す戦略などについて記事にしていきたいと思います。
投資に興味がある独身の方、これから投資を始めようと考えている方の参考になれば幸いです。